簡単に 服が出来ると 思うなよ

Writing Dates: 2016/03/04 (金)

 

 

 


タイトルが良い感じに俳句になりました!

 

 

 

 


こんばんは、ファッションメイドです。


合コン等初対面の人との会話で、必ず出てくる質問って、いくつかあると思うんですよ。
そのうちの一つ


「お仕事何されているんですか?」

 

 

これ。


私は聞かれれば、大体「洋服作ってます」って答えます。

で、大半返ってくる言葉

「凄いですね!僕にも作ってほしいです!」

なんですよね。
私、この言葉大嫌いなんですけど
初対面なので、流石に不機嫌になる事も出来ず、
ヘラヘラと流すのです。


ここで終わればそれで良いんですけど、
こういう事言う人に限って、
本当に頼んできたりするんですよね。
しかも格安で。


友達?知り合い?だからと言う理由で
安く作ってもらえると思い込む。


ケチかよ!


因みに私は若い女性、子供、お年寄りには優しくしろと
教えられたので、女性の友人等に頼まれたら、
多少自分の家計が赤くなっても作ります。

ただ大して仲良くもない異性、お前は違う


私は無償で作る最初のメンズ服は、タキシードと決めているので、
今のところ何も作れず、棺に入る予感です。

何故、世の中にこんなに簡単に
服を作ってくれと言う人間がいるか考えました。
簡単です、作り方を知らないからです。


なので今日は1着作るのにどれだけの工程数があり、
どれだけの時間がかかるか、調べようと思います。



スカートを作ろう

 

今回は、一番簡単で解りやすいタイトスカートを作ります。


先に完成図をお見せします。

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スカート丈38センチのよく売られているような裏地付スカートです。
ファスナーが後ろに付いていて、ポケット・ベンツ等は一切ない、
本当にシンプルな物です。

 

ルール

 

今回は1着作るのにどれだけかかるかを調べる為、
ストップウォッチを使います。

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こんな感じで記録も出来るので、大きい工程が終わる度に記録していきます。
また説明の為に写真を撮る時は、一時停止します。


では、スタートします。

 

作図

 

では、早速まず作図からです。

 

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これが、先程見せた完成図の作図です。
まず作図をするのに19分43秒かかりました。

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本当はこの2重丸の印等も定規で書かないといけないのですが、
自分が見る物は自分が分かれば良いスタンスなので、あまり気にしないです。

因みに学校に提出する作図でこれをやると、ひどい時はやぶかれます

 

型紙作り

 

次に型紙を作ります。
先程引いた作図を、新しい紙にトレースします。


今回は

・表前スカート
・表後ろスカート
・裏前スカート
・裏後ろスカート
・前見返し
・後ろ見返し

この6パターンが必要なので、作図からうつしていきます。

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これがトレースし終わった状態です。
全体がうつせていないのですが、6枚写すのに6分ほどかかりました。

 


型紙チェック

 

さて、写し終わった型紙に縫い代を付けてそのまま縫う前に、
本当にこの紙を信じて良いのか、チェックしなければなりません。

縫い合わせるパーツをくっつけて、
縫いあがった時に、綺麗な線になるか全て確認します。

 

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例えばこれ。


分かりにくいんですけど、前スカートと後ろスカートの型紙を
重ねた状態です。
この場合縫い合わせた場合なめらかになるので、問題ないのですが
(ただ私は0.5ミリのずれが気になるのでこの後直しました)

 

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こんな感じに、ダーツを縫い合わせた場合、上のラインがガタガタしてます。


ダーツって言うのは、平面の布を立体的にする為に、
矢の形状のように縫う方法です。

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この平面が

 

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三角の辺を合わせる事で、立体的になってるのがお分かりでしょうか?
こいつが私のお尻の丸みを演出してくれるのです。


で、話を戻しますが、このガタガタの線を定規で引き直して

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更にその修正した線をハードルレット(洋裁道具)でなぞります。

 

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で、折り曲げたダーツを開くと、ルレットで付けた線が浮かび上がってきます。
これが正しいラインです。
なので、定規で点線をなぞり引き直して、間違った線は消します。


この作業を全てのパーツ行います。

今回は6パーツしかないので、さらっと終わりますが、
これジャケットとなると勿論型紙の数も倍増するので、
さらっと終わりません。

 


縫い代を付ける


で、このチェックし終わった型紙に、縫い代を付けていきます。
基本は大体1㎝です。
ただ今回はほつれやすい布の為、表スカートの本体の縫い代は1.2㎝つけています。

裾は4センチ付けています。

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画像は付けている途中です。


で、縫い代付けた型紙をハサミやカッターでカットして

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こんな感じで完成しました。
時間は46分56秒でした。

 


裁断・印付け

 

ここからやっと布に触っていきます。
その前に今回使う材料

 

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綿とポリエステルの混ざったツイードです。
接着芯と裏地は家にあった余りものです。

 

裁断


私は裁断する時に【接着芯・裏地・表地】という順番で切ると決めています。

 

・接着芯

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見返しには接着芯を貼るので、裁断します。
さっきから見返し見返しって見返しって何?って思ってるかも知れないんですけど

 

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こんな感じで、服を裏にした時に、ついているものです。
ウエスト部分にいきなり裏地があると、着心地が悪いのです。


で、裁断し終わったら、布目にわずかに切り込みを入れておきます。

 

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・裏地


裏地はとにかく滑るし、大変です。

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裁断する時はこんな感じで、布の端から平行にしてピンで止めるのですが、
それすらしんどいです。

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裁断する時も、ずれない様に必死です。

そして切り終わったら、印付けをしていきます。

型紙をとってしまうと、ダーツの位置が分からなくなってしまいます。
なので、印を付けてから型紙を外して縫うのです。


色々なやり方があるのですが、裏地は繊細な布なので、
ソフトルレット(ジグザグしてないルレット)や、へら(和裁道具)でやるのですが、
両方手元になかった為

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ハードルレットでガンガン行く事にしました。
大丈夫、意外に平気な事知っていますから。


・表地


主役の表地の番です。

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買ってきたばかりの布なので、スチームガンガン出して地直しします。

 

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そして裁断していきます。

接着芯もそうでしたが、前のパーツは1枚でよいので、重ねませんが
後ろのパーツは右と左2枚必要なので、布を重ねて裁断します。


大体中表(中に布の表がくる状態)で裁断するのですが、
今回は外表(外に布の表がくる状態)で裁断します。


で、裁断するのですが、見返し(接着芯を貼るパーツ)は
周りの布を余分に残して裁断します。

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その時に、布目が分かるように、切り込みを入れておきます。

 

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で、接着芯を貼ります。

 

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表布の裏に接着芯をのせます。
この時に、接着芯に入れた切りこみと、表布に入れた切り込みを
縦に合わせると勝手に布目が合います。

この為に入れた切り込みです。

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そして軽くアイロンをかけて仮止めをして

 

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作図用紙を被せて思いっきり押します。


そして貼り終わった表布をまた重ねて、パターンを止めて
(この時も切り込みに布目を合わせる)
出来上がりに裁断します。

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こんな感じに貼れました。

何故、表布を大きめに切ったかと言うと
接着芯を貼ると、布は縮む習性があるので、
出来上がりと同じ大きさに切って、芯を貼ってしまうと、
本来の大きさより、小さくなってしまうからです。


そして作図用紙を敷く理由は、接着芯からでる付着ののりが
アイロンにひっつかないようにする為です。


ここまできて、まだ一辺も縫ってないのに、
めんどくささが全開なのがおわかりでしょうか?

まだ準備工程が残ってます。
表布の印付けです。

 

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今回はこの両面チャコペーパーを使います。

 

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使いやすいサイズにカットして、

 

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こんな感じに布の間に挟み、ハードルレットでゴリゴリすると
印が付く優れものです。
布の裏に印を付ける為に、今回は外表に裁断しました。

このチャコペーパー、水で消えるので、洗える素材には適してます。

 

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やっと、これで縫える段階までいきました。

ここまでの時間、1時間41分31秒でした。

 

 

さぁ縫おう

 

これでやっと縫い始めれられます。


ただ、今調べたらここまでの文字数既に約3200文字。
原稿用紙8枚分。


みんなそろそろ読むの飽きてきたと思います。

その上私、縫い始めると夢中になってしまい、
工程を撮影するのが疎かになるんですよね。


なので、ざっと写真だけ載せます。

 

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こんな感じで、裁断した物をドンドン組み上げていきます。
ロックミシンを使ったり、普通のミシンでも糸を変えたり、
ファスナー用の押さえに取換えたり・・。
そのうち詳しく説明します。

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裾上げなどは全部手縫いです。


この裾上げ、下手な人と上手な人がやると
かなり違いが出るんですけど

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左が下手な人がやったもので、右が過去に私がやったものです。

昔フェイスブックの投稿にも載せたんですけど、
下手な人がやると、表にどこをまつっているのか出てしまいます。


百貨店のお高いワンピースでもよく見ると
表にあたりが出ているものがあります。
既成品は工場で縫っているから、仕方がないのですが、
こういう点から、機械は人の手には敵わないと思っています。

 

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色んな部分に取り付けられているスプリングホック


左が安い服に付いていたものです。
右が私が付けたものです。

で、完成時間

 

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5時間15分36秒でした。

 

写真を撮影しながらやっていて、一々作業が中断するので、
ぶっ続けでやれば3時間半くらいで終わると思うのですが、
それでも一番簡単なスカート作るのにも、4時間近くかかります。


これがジャケットやワンピースになると、
完成してサイズが合わなかったら困る為、
一度安い布で組み立てて、完成図を確認してから、作り始めたりするので
型紙を2回引くことになるし、ここで訂正がでると、最悪作図をやり直したりします。


安い布もタダではない癖に、一回組み立てて確認がとれれば
ゴミ箱行きです。。

 

 

話を戻して・・


縫製工程を省いて説明してしまったのですが、
服を作る時って、縫うよりも前にたくさんの工程があるんです。


あと今回は基本のタイトスカートと決まっていたから、話が早かったのですが、
デザインや布選びに、一番時間がかかったりもします。

 

1を10にするのは簡単ですけど、0から1を作りだすのは時間と手間がかかるのです。

 

多分最初に話していたような人は、
私が美容師してますと言ったら今度安く髪切ってと言い、
コックしてますと言えば、食材用意して今度ご飯作ってと言うのでしょう。


ノリで言うのは構わないと思いますが、
後日本当にそれを求めると、

クリエイターやサービス業の人から、嫌われるので気を付けて頂きたいです。

 

 

どうでもよい余談


最後にこのスカート一体いくらで出来たか計算します。


・表布 1m800円 50㎝使用
・裏布 あまり物
・接着芯 あまり物
・コンシールファスナー 約100円
・スプリングホック あまり物
・糸 あまり物
・作図用紙1枚と半分 約30円

ざっとですけど600円に収まっている事がわかりました。
私、ルミネエストの地下でこういうスカート、5000円くらいで売ってるの見た事あるんで、
大分得した気分です。


服は布を売っているんじゃなくて、
技術を売っている事がとてもよくわかりますねぇ・・。

さて、今日は早速このスカートを履いてお寿司を食べに行きます。


今週こそは隣の卓にディーン・フジオカが座ってますように!

 

 

それではまた来週!!


コメントをどうぞ

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  • お洋服love より:

    もっと簡単な服を作る方法ってないんですか?
    でも、すごくかわいいスカートだと思います

  • 山下 より:

    私いっしょー
    同じようなことをしてます。
    無闇に作ってーとか、値段下がるまで待っとか言われると、
    自分の仕事ぶりをバカにされたようで、嫌ですね。
    試作品をあげたときも、生地代だけでも払いたい。と言うのも腹立ちますね。
    生地より、労費が大きいのです。
    安物しか買ったことないひとと、洋服で絡むのめんどくさいです。

    タイトルは私もよく心のなかでブツブツ言っているの詞そのまんまです。

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